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PDFのリフロー表示と元のページ表示:スマホで読むならどちら?

すべてのPDFをスマホでいちばんよく見せる方法は、ひとつではありません。リフロー表示は、抽出した文字を細い画面に収まるように並べ直します。元のページ表示は、文書をレイアウトのまま保ちます。前者はズームの手間を減らし、後者は文脈を守ります。考えたいのは、どちらが万能かではなく、その文書で失いたくない情報は何か、という点です。

1. リフロー表示で変わること

PDFのページは、幅と高さが決まっています。リフロー表示は、そのページから使える文字を取り出し、スマホの幅に合わせて行を折り返します。Scroll+では、テキストのモードが端末の中で文字を準備するので、EPUBに近い感覚で読めます。ページ全体を縮小するのではなく、フォントサイズなどの表示設定に合わせて読書画面が変わります。

代わりに失うのは、元のレイアウトへの忠実さです。抽出で見出しや段落が簡略化されることがあり、段組み、脚注、ページの見出し、表、図、特殊な文字コードの部分は、順序が崩れたり、テキスト表示から消えたりすることがあります。ファイルに使える文字データがあるかどうか分からないときは、まずスキャンPDFとテキストPDFの見分け方を試してください。

同じPDFページの元のレイアウトと、Scroll+でのリフロー表示
同じPDFページの元のレイアウトと、Scroll+でのリフロー表示

2. 元のページ表示で残るもの

「元のPDF」表示は、文字の流れを組み直さずにPDFのページをそのまま表示します。図はキャプションの隣に置かれたまま、表やページ番号も残り、スキャンしたページは撮影したとおりに見えます。ページを引用したいときや、図と文章の関係を理解したいときは、こちらのほうが安全です。

小さなスマホでは、代わりに操作の手間がかかります。ページ全体を見るには、拡大したり横に動かしたりする必要があるかもしれません。抽出した文字を前提にした表示設定は、ページの形には効きません。このモードはファイルのレイアウトに忠実ですが、長時間とぎれず読むのに自然と快適、というわけではありません。

3. 文書に合わせてモードを選ぶ

きれいなPDFとして書き出された小説なら、「テキストと画像」から始めます。2段組みの研究論文は、抽出を試したうえで、数式、参考文献、読む順序を元のページと見比べて確認してください。問題集、フォーム、マンガ、雑誌、図入りのマニュアル、スキャンした本は、「元のPDF」から始めます。混在したファイルは、いちばん頼りにするページを守れるモードを使いましょう。

同じ本がEPUBでも手に入るなら、文章中心の読書ではその形式のほうが妥協せずに済むことがあります。固定されたページを直そうとするより別の形式を選んだほうがよい場面については、スマホで読むならEPUBとPDFのどちらかの記事で説明しています。

4. 処理時間と端末の限界

テキストのモードは、Android端末の中で実際に処理を行います。短くて単純なPDFならすぐ終わりますが、長いもの、情報量が多いもの、回転しているもの、特殊な文字コードのものは時間がかかることがあります。端末の速さと空きメモリが影響するのは、標準のモードが文字をスマホの中で準備するからです。PDFを当社のサーバーへ送るのは、メンバーシップに含まれる任意のサーバー処理だけです。ファイルが順番に処理されている間は、ライブラリで準備の進み具合を確認できます。

元のページ表示は抽出の手順がありませんが、大きなページや画像の多いページの表示にはメモリを使います。どちらのモードでもうまくいかないときは、ほかの負荷の高いアプリを閉じ、元のページ表示を試し、元のファイル自体がほかのアプリで正しく開くか確認してください。壊れたPDFや暗号化されたPDFをすべて直せるリーダーはありません。

5. 2つのモードを使い分ける確実な手順

元のPDFは手元に残しておきます。取り込んだら、本文を優先したいときは「テキストのみ」か「テキストと画像」を選び、準備が終わったら代表的なページをいくつか確認してください。見出し、段落、表、特殊な文字を含むページを見ます。意味が失われていたら、その文書は元のページ表示に戻しましょう。

Scroll+ 0.9.0では、情報量の多いページの処理と、画像だけのファイルへの切り替えが改善されました。変更点はリリースノートをご覧ください。これらの改善で読めなくなるケースは減りますが、リフロー表示が元のレイアウトと同じになるわけではありません。

楽に読めるときは快適さを、必要なときは忠実さを

リフロー表示は、言葉そのものが文書であるときに向いています。元のページ表示は、ページの形も意味の一部であるときに向いています。素材に合わせてモードを切り替えるのは妥協ではなく、いろいろなPDFをスマホで読むための現実的なやり方です。